あんふぁんモデルのランドセルを作っている工場に行ってきました-これを読めば、あなたも「あんふぁん」モデルのランドセルが欲しくなる・・・かも。
・やっぱり福島県は遠かった。
あんふぁんモデルのランドセルを作っている工場に実際に行ってきました。
行こうと決めた大きな理由は、
「自分の販売しているものを作っている様子を、実際に自分の目で見てみたい」
という気持ちが抑えられなかったからです。
訪問させていただいた日は、2008年2月16日(土)です。
(ここからの話は、この日を基準に書かれていますのでご注意ください。)
この時期(2月中旬)になった訳は、
まず、もっと早い時期だと毎日のように注文が入るので
長い時間パソコンの前を離れると、
ご注文を頂いた皆さんに迷惑がかかるかも知れないから。
また、もっと早い時期だとランドセル工場がものすごく忙しいので、
休み返上で頑張っている工場の皆さんに迷惑がかかること。
そして私は基本的に日曜日が休みで、無理してやっと土曜日が休めること。
工場は基本的に土・日曜日が休みで、忙しい時は土曜日も製造すること。
以上の様なことから、
忙しさのピークを過ぎた土曜日を選ぶ事になり、
先方との打ち合わせの結果、最終的にこの日(2月16日)になりました。
場所は福島県。
和歌山県からですとまず電車で大阪まで出て、そこから福島行きの高速バスに乗りました。
残念ながら、和歌山⇔福島 の高速バスは無く、
電車を利用するより、高速バスが一番手間が少ないと考えました。

行く途中のサービスエリアはこんな具合
和歌山県人の私にとっては大雪です
当日はよりによって寒波襲来で「雪」。
といっても全国的に荒れたわけではないのですが、運が悪かった。
その雪の影響もあり、大阪→福島は狭い座席に揺られて約12時間。
メチャメチャ遠かったです。
久々の長距離バスは、45歳の体にはかなり堪えました。
早朝、8時頃に予定より少し遅れて到着。
私にとっての「初」福島。

バスを降りた直後の風景です。晴れてます。
空気は冷たく「東北地方」と言う感じでしたが、空は晴れさわやかでした。
街のあちらこちらには、数日前に降ったまだ雪がまだ残っています。
私の住んでいるところでは、積もった雪を観る機会はほとんどありません。
年に数回「ちらほら」降る程度で、数年に1回数センチ積もれば多い方。
(ちなみに弘法大師(=空海)が開いたと言われる高野山では、
道路が通行止めになるほど積もる事も時々あります。)

日陰には雪が残っています
ファミリーレストランで朝食を頂いた後、工場に向かいました。
バスの降りた町から数駅移動した場所にあるのでまずは電車に乗りました。
すると途中先方の工場の方から電話が入り、
最寄の駅まで迎えに来てもらう事に。

工場の最寄の無人駅です
無理を言って訪問させていただいた上に、
迎えにまで来ていただいて、本当に助かりました。
「うーん。いい会社だ!」その1
・まずは、事務所でお話をお聞きしました。
そしてやっとの事で工場に到着。
訪問させていただいたのは、
株式会社榮伸 福島工場
です。

事務所の入り口です。
http://www.ransel.net/cat1/post_51.html
(ここに株式会社榮伸 福島工場の紹介ビデオがあります)
株式会社榮伸さんは創業50余年。
福島に工場を構えるようになって24年。
手狭になったので、現在の場所に引っ越してきて7年目だそうです。
福島県には同様のランドセル工場が他には無いので、
地元の方々の取材や工場見学は引っ切り無しにあるようです。
今年(平成20年)も、すでに地元のテレビ局の取材が4社あり、
NHKのローカル局の生中継もあったそうです。
数日前にも地元の幼稚園児たちが団体で工場見学に見えたそうです。

工場の写真です。ここで作られています。
もちろんメーカーの方や、オリジナルブランドを発注している
大手販売店の方も打ち合わせにお見えになるそうです。
私の様な地方の一販売店が見に来る事は希だそうです。
そもそも、販売店が工場見学したところで、
販売店にはメリットはほとんどありませんから。
そういう意味では、私はすこし変わり者かもしれません。
工場見学をさせていただきありがとうございました。
「うーん。いい会社だ!」その2
私が事務所で工場長様にお話を聞いている間にも、
何人ものお客様がお見えになりました。
「ここは工場なのに?」と少し疑問を持ったので尋ねてみると、
「本来は小売はしないのですが、感謝の気持ちで地元の皆様だけには販売しているんです。」と言うお答えでした。
「うーん。いい会社だ!」その3

事務所においてあった見本用の白いランドセル。
かなり珍しい!
現在ランドセルを作っている会社は、26社だそうです。
日本に たったの26社 です。
昔は数百社あったそうですが、時代の流れで淘汰されてしまい、
ここ数年は今の26社に落ち着いているそうです。
最近は新入学の生徒の数が120万人前後。
そのうち10%程度はランドセルを使わない学校に行くので、
残りの110万人前後の生徒さんの為のランドセルを
この26社で分け合っている事になります。
かつては団塊の世代と言われた方々の数が約250万人あったので、
それと比べると半分以下になってしまったわけです。
実際、ランドセルの製造会社が淘汰されていったのもうなづけます。
その中で生き残ってきた(と言う表現は失礼まも知れませんが)理由は、
いいものを造りそしてお客さんやメーカーの信頼を獲得し、
精緻な経営をしてきた事に他なりません。
「うーん。いい会社だ!」その4
そして、そもそも企業秘密もあるであろう工場を、
ランドセルやカバン作りには素人であり、
和歌山の一販売店の店主に見せてくれて、
取材に応じてくれて、写真まで撮らせてくれたわけです。
特に写真を撮る事にに関しては、もちろんあらかじめお聞きしたわけですが
「うちはすべてオープンです」と快く撮影を許可してくれました。
「うーん。いい会社だ!」その5
かつて(数年前まで)は2月下旬まではモーレツに忙しく、
一転4〜7月頃までは閑だったそうですが、
現在は年中一定程度の仕事があり新年度が近づくと、
一段と忙しくなると言うサイクルで一年を過ごしているとのことです。
と言うのは、最近は販売会社もある程度の予測を立てて早い段階で見込み発注があり、早めに生産にかかるための様です。
あらかじめ、予定が立てられるからこそ効率的に作れるのだそうです。
当然、無理な製造スケジュールは従業員さん・職人さん達の無理につながり
無用なミスやトラブルも増えるでしょう。
それに、残業が多くなると言う事はコスト高にもつながり、
経営的にも決していいことではありません。
私のお店でも、この「急がない注文」方式で販売しているので、
少しでもお安くできることが可能となっています。
・榮伸さんについて色々お話をお聞きしました。
現在の従業員の方の内、製作に関わる職人さんは、全員で51人だそうです。
その人数で、年間約8万個のランドセルを製作するそうです。
以前は、12〜13万個を作っていた時期もあったそうです。
最近は多品種小ロットになり、その上に差別化のため品質が上がり
作業工程が飛躍的に増えたので、現状ではこの数が限界だそうです。
今は、職人さんに夜9時頃まで残業をお願いして最高に無理すると、
一日に約350個を完成させることが出来るようです。
一時間に約40個のペースで流れ作業で出来上がります。
職人さんといっても男性も女性もいらっしゃいます。
主婦の方もいらっしゃるようなので、忙しい時期は大変だと思います。
それを知っているだけでも、ランドセルを大切に使って欲しいと言う思いが強くなります。
製造は工場の一棟にたった1本の製造ラインで作っています。
もちろん効率的な面から考えると、流れ作業になるのは当然です。
でも、私が驚いたのは、すべての職人さんがすべてのパートの作業をする事が可能だという事です。

ランドセルの元のクラリーノの生地です。
ここにも雪が。さぶっ。
ややこしい言い方ですが、51人全員の方が
「生地のカットから最後の縫製まで」
たった一人で完成させる技術を持っているそうです。

生地をカットしている様子
急に誰かが休んだりしても、急用で途中で帰ったりしても、製造ラインにはほとんど影響しないと言う事です。

工場の中はこんな雰囲気です。
狭そうですが、逆に効率よく配置されています。
つまり、皆さんが各作業の「専門職」ではなく、まさしく「職人」なんです。
素人の私には驚くべき事実!
この事実は、他の工場の方が見学に来られても、驚くそうです。
すばらしい。
「うーん。いい会社だ!」その6
仕事を一通り覚えるのに、約1年。
職人と言えるレベルになるには、約3年必要だそうです。
ただ、これは元々手先が器用な人の場合です。
そもそも、手先が不器用なヒトは採用しないでしょうけど。

組立作業中。
ただ、効率的な製作と経営の為に、すべての工程を手作業ですることは、
あえてしていないとの事。
機械で出来るところは機械でする。
これも、良い物をできるだけ安く作ることが可能になるので、
今の時代では当然といえば当然です。
機械でできるところまで、わざわざ手で作って、手作りである事を「売り」にして
「高い価格で販売する事」は、本末転倒ともいえます。
中には、 「すべて手縫いで、完全手作り」を『特長』にしている」ランドセルもありますが、手間の分だけ高くなるのは当然です。
同じ品質なら安い方がいいに決まっているので、納得のいく話です。

こちらはミシンで縫っています。
榮伸さんはランドセル工場で、コクヨ専用の「子会社」ではありませんから、
作っているのはもちろん「あんふぁんモデル」だけではありません。
いろんな会社から頼まれた、いろんなランドセルを同時に製作しています。
現在でも、年間3〜400種類のランドセルが作れるそうです。
(※そもそも種類の多くなった理由は、大手スーパーなどがプライベートブランドのランドセルを出したりするようになったためです。
細かい仕様の違いまで入れると、その種類は1000種類を越えるとのことです。)
そこで、さらに驚くべき事実をお聞きしました。
そのすべてのランドセルを、すべての職人さんが作ることができるのだそうです。
つまり、図面一枚さえあれば、どのメーカーのどの種類のランドセルであろうと作れてしまうのだそうです。
300種類ですよ!(あるいは1000種類)
製造ラインは1本しかなく、一日中同じ種類のランドセルを作るわけではないので、私の見学させて頂いた間も、あんふぁんモデルと他のランドセルが、隣り合わせになってラインを流れていました。
それが、隙間無く繋がってラインを流れていきます。
よく間違わないで、つくれるものです。

写真をよーく見ると、違うランドセルが重ねられています。
この工場では当たり前の光景です。
この職人の世界の恐るべき事実。
・榮伸さんの職人の方々は・・・。
ところで、私はもちろん当然のことながらランドセルには興味があるのですが、
実は一番興味のあったのは
「私の大好きなランドセルは、どのような人たちが作ってくれてうるのだろう。」
と言う事です。
妙に聞こえるかもしれませんが、私が関心があるのは『人』です。
私も一人の商人ですから、
「働いている方が元気で明るい会社は、いいものを作る」
という事を経験的に知っています。
事務所に入っていってこちらが挨拶しても、返事も返ってこない会社は、
残念ながら経営もうまく行かない事が多いようです。
そこで、榮伸さん。
予想していた通り、初対面の私でも作業をしながら気持ちよく挨拶してくれました。
来てよかった。
私の本当に知りたかった事は「この事実」です。

作業をしながらでも皆さん挨拶してくれました。
確かに同じ品質なら、たとえ海外で作っていたとっしても、いいようなものです。
でも、やはり「手作りのもの」は作っている人の「思い」や「気持ち」が商品に伝わるものだと、私は思っています。
しかも、大切な子どもさんが6年間使い続けるランドセルです。
ただ、儲ける事だけが目的の会社には作って欲しくないんです。
内緒の話なので大きな声ではいえませんが、業界の方にお聞きするとランドセル(だけでなくカバン一般)を製造する会社にも、実際色々あるそうです。いろいろ。秘密ですよ。内緒。シー。
私も、自分の惚れ込んだランドセルを「愛情込めて」販売しています。
その気持ちに共感してくれて、買っていただけたお母さん方も少なからずいらっしゃいます。
そのお母さん方の「気持ち」を裏切りたくないから、
自分の目で確認したかったのです。
これで、本当に本当に自信が持てます。
気持ちは、パソコン上の文字からでも伝わります。
だからこそ、共感してくれたお母さん方がいらっしゃったのだと思います。
榮伸さんの職人さんたちが、ほんとに心込めてランドセルを作ってくれていることを知り、
その事実を自分の目で確認できただけで、半日以上かけて福島まで来た甲斐がありました。
本当に、来てよかった。
これで、ますます本当に心から自信を持って、
あんふぁんモデルのランドセルを薦められます。
「うーん。本当にいい会社だ!」その7
本当に、はるばる福島まで来てよかった。
榮伸の皆さん。
本当にありがとうございました。

